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社長と呼ばれる件について3 [仕事]

一人寂しく祝杯をあげています。2005年の5月5日の記事です。「社長と呼ばれる件について」
http://dragon8.blog.so-net.ne.jp/2005-05-05

最近2つの節目がありました。
①決算で繰越欠損がなくなりました。詳しい会計の話はわかりませんが、この数字をいつもにらめっこしながら過ごした4年間が終わりました。

抵当権を抹消しました。銀行から資金を融資して頂くときに、会社の土地・建物の権利を差し出す。(銀行さんにキン○マを握られるみたいな感じ)おまけに、まつお君の所は貸し倒れリスクが高いので、生命保険入ってね!あと、保証人もつけてね!と交わした金銭借用契約が無事終了しました。

当時25歳の私は目をキラキラ輝かせていました。この会社を立て直してみせる!と自分に誓いをたてたのですが、その目のキラキラはいきなり涙目に変わりました。話が違うよ・・・

経営を引き継ぐにあたり、過去の決算資料を5年分ぐらい徹夜で検討しました。何もわからない私は、親戚や会計士さん、仲の良い友人に相談し、ヨシ、いける!と買収の決断をしました。(このときアホの子の親父は、私が見積もった倍の金額で買収を進めようと考えていました・・・)

昨日まで敵国だった城(会社)に一人で乗り込む25歳のあほの子。その1ヵ月後に、涙で枕を濡らすとも知らずに。
事前の決算書(過去3期分)を持参し銀行に融資のお願いに出かけた。世間知らずの若い社長にも関らず、熱心に私の話に耳を傾けてくれる融資係さん。

融資係「話しはわかりました、大筋で融資は可能だと思います、話を上に通しますので、6月に出てくる直近の決算書ができたら来て下さい」と説明を受けた・・・

6月に入り出来てきた決算所を持って銀行へ。担当者に決算書を手渡すと、顔色が変わった。「まつおさん、ちょっと待って下さい、上司に相談してきます」と担当の人。ん?なんか変な雰囲気だなぁ・・

「まつおさん、話が違います、この部分なんですか?」と指差す行員。当時無知な私はただの数字だとしか考えていなかった。「この繰越欠損、前期の決算書にはなかったじゃないですか!」と息を荒げる。へっ?と状況がつかめない私。「この話はなかった事にと行員に告げられた・・・」(意味がわからないんですけど・・・)

親戚に決算書を見せてはじめて事の重大性が認識できた。過去5期ぎりぎり黒字だった決算書が、直近の決算書は大幅な赤字になっていたのだ。話が違うよ・・・

2件目の金融機関でも、話は同じ・・・「この決算書では、ご希望の融資にはお答えできません・・・」
逆切れした若い私は、「お宅の銀行から、今後一切融資を受ける事はないからな!」と席を立った。
参照http://dragon8.blog.so-net.ne.jp/2007-10-28)半年後に無事融資をしていただけました。このときの担当の国金の豊田さん、熱心に私の再建案に耳を傾けてくれましたね・・ありがとうございます。

この4年間いろんな事がありました。

「給料減って、仕事が増えたらたまったもんじゃねーよな、みんな~」と某社員さん。
「いいです、○○さんは水戸黄門を事務所で見ていてください!私があなたの路線を走りますから」と逆切れ。

率先して、自分で走るよう勤めた(朝も夜も深夜も)、いきなり出来た乗務員さんとの溝も次第に埋まっていく。今では行っていないが、月一の朝礼で、「大丈夫です、この会社は少しずつ、立ち直っています!と嘘の数字をを伝え、鼓舞していた」半年たって、出て行くお金より、入ってくるお金が多くなった。一番頼りにしていた乗務員さんの死。痛みを隠して仕事をしていた、とお見舞いに行った時ご家族から告げられた。ご本人が、「社長、会社は大丈夫ですか?」と聞かれたとき私の心臓がギューッと握りつぶされた感覚で息ができなくなった。

社員さん達の支え、地域の人の協力があって今の自分がいると思います。2005年5月5日、「悔しいから本気で社長になります」と誓った私、何とか一端の社長になれたように思います(スミマセン酔ってます)

最後になりましたが、今年1年を最後に、社長を辞めようと考えています。ここからがスタートラインなのですが、30歳まじかということもありまして。その話はおいおい、ありがとうございました。
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black cab

へー、すごいですね!勉強になります。

この話を読ませていただいて、ここに辿り着いたまつおさんは、

①ものすごい幸運の持ち主
②ものすごい敏腕経営者

この2つのどちらかであることは間違いないですね(わたしは元能無し不運の経営者でした)。

次なる人生戦略に目が離せませんね(笑)。
by black cab (2009-06-15 10:14) 

雅

その辺の会社に入って普通のサラリーマンとして20年勤めてる自分はホントお気楽なんだな、と思ってしまいます。
4年できちんと会社を立て直して、30にして次の人生に向かう、なんか眩しいですね。


by (2009-06-15 21:54) 

まつお

運とタイミングがたまたま良かったのだと思います。敏腕経営者ではないですね・・・皆様に感謝の一言です。夜中に酔っ払ってブログを更新しないようにします。スミマセン。

雅さん。やっとスタートラインにたったまでです。社屋もそろそろ建替えなければなりませんし、乗務員さんも高齢化してきています。まだまだやることはいっぱいあります・・・
by まつお (2009-06-15 23:46) 

emuzu

うぅ~ん、、、酔っているとはいえ誤字脱字もなく文面も理解できます、、、そっちかぃ!
なにやら深刻な状況になってきましたねぇ~
自分も自営なので心労お察し致します m(_ _)m
by emuzu (2009-06-16 10:30) 

まつお

次の日に誤字脱字をチェックしました!
深刻な状況ですね、くるべくしてきたのかもしれません。
心労はナイと言えば嘘になりますが・・・ただ最近妙に疲れが残ります。
回復するのが遅いのは年のせいなのかな・・
by まつお (2009-06-17 00:07) 

みおのとおちゃん

4年で会社を健全化させ、前記事のように種までまいて・・・。
まつおさん。かっこよすぎです。
by みおのとおちゃん (2009-06-17 20:50) 

まつお

正直、少し、もういいかなと最近思います。
ゆっくりとすごしたいです。お金中心のスタイルから開放されて
本当にやりたい事(ライフワーク)で食べていければいいなと思います。
社長業は自分には向いていない事がわかりました。
by まつお (2009-06-17 23:49) 

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