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じゃじゃ馬ならし [仕事]

レトロなクラシックバスを約2年間運行した。

 

バスにも気質があるようで、一言でいえばとんでもない「じゃじゃ馬」。初めて運転する人は必ずエンストしてしまう。クラッチが浅く、アクセルもかなり踏み込む、つなぎ方が難しい。力もない。セカンドからサードにチェンジする時の音と振動といったらマニアの方にはたまりません。

レトロな為、故障時の部品がない。整備の担当者からは「大切に、大切に乗ってください」と会うたびにいわれる・・・その人は本当の車馬鹿。元旦に故障した時は、休み返上で直してくれた。自分の娘と同じぐらい可愛いそうだ。この人は本当の車のプロだ。普通の整備屋さんは悪い箇所をまるまる交換するだけ。その人は部品が無くても、近くの雑品から適当な部品を作ってしまう。真の男だ。

運行期間が終わり、60㌔隣の整備屋さんまで運転する私。ハンドルの横をポンポンと叩いてバスに語りかける。

俺 「もうすぐ北見だよ、頑張れよ」

バス「ブルン、ブルン、ブブブブブ」

俺 「もう、お別れかもしれない、事故なく運行できて本当にありがとうな」

バス「ブルン、ブルン、ブブブブブブ・・・」

最初はじゃじゃ馬だったけど、今は誇り高き貴婦人。

愛着を持って接した機械には「魂が宿る」とその整備屋さんは言う。さよなら、ぐらんまま。


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